院長挨拶

院長挨拶

たかまえ病院院長就任にあたって

3年続いてきた新型コロナ感染症、感染症法の分類は2023年5月に2類から5類に変わります。しかし発症前から感染を広げるこのウイルスの厄介な性質は何ら変わりません。したがってこのウイルスが基礎疾患のある患者さんの脅威となる限りこれからも医療施設内ではゼロコロナの理想が求められるでしょう。当面の問題は新型コロナ対策各種補助金の漸減・廃止が始まることです。費用対効果の吟味は大きな議論の的となりますが、新型コロナも歴史的俯瞰をすれば(100年前のスペイン風邪は3年で収束)数年単位で日本人の集団免疫が獲得され鎮静化することが期待されます。

一方もっと厄介かつ根源的な問題があります。人口減少、少子化、高齢化といった日本の社会構造の変化です。医療は20世紀からこの影響をジワジワと受けてきましたが、ここ数年でこれまでにないダイナミックな変化がまず病院に訪れると思います。

例えば医療を取り巻く環境変化の加速はパンデミック前から始まっていました。具体的には人口減少、高齢化対策として厚労省から地域医療構想が提起されました。群馬県でも2015年の第7次群馬県保健医療計画以来継続的に組み込まれています。団塊の世代が75歳以上になる2025年に構想区域内(二次医療圏内)の効率化実現を目標に医療提供体制構築の見直しが強力に進められます。手始めに今年は2024年4月からの「医師は働き方改革」施行を睨んで群馬県でも一段とギアが上がり様々な動きが起ると思います。

感染症、社会構造の変化、医療体制が互いに影響しあい、リンクしながら変化していく、そんな時代の区切りに「たかまえ病院」は生まれ変わります。その役割は、重装備で潤沢なマンパワーが必要な高度急性期~急性期ではなく、回復期~慢性期の患者さんを対象に効率的で良質な医療を提供することです。限られた予算、マンパワーでこれを実現することは簡単ではありませんが、前橋インター極至近という地の利を生かして柔軟な対応を心がけ少しずつ育んで行きます。困難だがやりがいのある仕事(Challenging but Rewarding)を合言葉に職員一同、地域、そして群馬県民から愛される病院をめざします。

医療法人ゆかり
たかまえ病院
院長 飯塚 邦彦